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勤務医の医師賠償責任保険の内容と補償金額

医師が医療事故を起こし、患者に身体の障害が発生した場合の賠償などを補償する保険です。加入できるのは病院・診療所に勤務する医師(研修医を含む)となっており、開業医は対象となりません。勤務先の病院が複数ある場合でも、各々の病院における全ての医療業務が対象となリます。また、加入者だけでなく、その指揮・監督下で起こった看護師、診療放射線技師、薬剤師の事故もカバーされます。

対象となる医療事故例としては、「画像診断の見落とし」、「内視鏡の誤操作による穿孔」、「輸血時の血液型の取違え」、「注射部位または深度の不適当による神経麻痺」、「手術の際のガーゼ類の遺留」など多岐にわたります。

ただし、美容が唯一の目的となる医療行為(例:豊胸手術、小顔整形、ヒアルロン酸注入によるシワ取りなど)による医療事故は補償の対象外ですので注意が必要です。美容医療を専門とする医師には、「美容医療賠償責任保険」などがあります。

医師賠償責任保険で支払われる保険金の種類は、損害賠償金(示談・和解でも対象)をはじめ、被害者の治療費、入院費、慰謝料、休業補償費等などがあります。また、保険会社からの事前承認が必要となりますが、訴訟になった場合の訴訟費用や弁護士報酬なども賄われます。

一般的なタイプは最大補償額が1億円となっていますが、損害賠償請求の高額化の傾向を受け、3億円までカバーされる最大保障タイプも登場しています。保険は大手損害保険会社の損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上が発行元として直接販売しているほか、日本医師会、各学会(日本外科学会ほか16学会)、医科大学の同窓会、民間医局(メディカル・プリンシプル社)などが代理店として保険を取り扱っています。代理店を通じて加入する最大のメリットは、加入人数に応じて保険料の割引を受けられることです。

研修医は日本医師会の保険、勤務医は民間医局の保険が総合力で優ります

初期臨床研修医の方は、保険料が一番安い(15,000円)うえ、補償額も1事故あたり1億円となっている日本医師会医師賠償責任保険がオススメです。日本医師会に入会して年会費を支払う必要がありますが、医学部卒後5年までの医師は保険加入で会費が免除される(2023年度から)ので、かなりお得です。

日本医師会の会費も安くなります

100万円の免責(100万円未満の損害賠償は医師の自腹)が設定されていますが、別途4,000円払えば免責はゼロになります。研修先の施設は病院賠償責任保険に入っていますし、研修医が個人で1億円を超える訴訟に繋がるようなポジションを任せられるのはレアケースなので、補償額は1億円で十分。初期臨床研修医はバイト禁止なので、スポットアルバイトでの事故まで補償している他の保険は必要ありません。

研修医以外の勤務医の方は、民間医局(メディカル・プリンシプル社)の医師賠償責任保険が、会員数というスケールメリットによる保険料の割引、充実した補償内容で学会系や同窓会系の保険に優っています。

補償内容には、非常勤やスポットアルバイト、オンライン診療での事故も含まれています。常勤先がない方も加入できるので、非常勤で勤務頻度が低く、「いざという時に病院がどれだけ自分を守ってくれるか不安」という方も安心です。また学校医や産業医といった嘱託業務についても、全プランに「嘱託医等の医師活動に関わる専門事業者賠償責任保険」が付帯しています。

医師賠償責任保険の保険料

過去の医療訴訟で勤務医に支払いが命じられた損害賠償金の最高額は約1億7,000万円です(2013年:名古屋高裁)。その影響なのか、保険加入者の約半数が1事故あたり最大2億円が保証される「タイプD」を選んでいますが、同じ2億円タイプの保険は東京日動火災で64,460円(HP掲載の数値より)、学会系や同窓会系も軒並み50,000円以上なので、コスパの面でも優れています。

申し込み手続きは全てスマホやPCによるオンラインで5~10分で完結する(保険の加入証書は、保険料の振込後に郵送)ので、空いた時間にどこでも気軽に申し込めるのもメリットです。

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