看護師の消毒ミスで手術中の患者が死亡、医師の責任は?

大学病院に勤務する外科医です。腹膜炎の手術を執刀した際に、助手の看護師から渡されたメスが消毒されていなかったため、手術後に患者の容態が悪化して、死亡してしまいました。

メスは当然消毒されているものと思って手術したのですが、この場合、医師である私にも責任はあるのでしょうか?

信頼の原則を適用できる場合、医師の責任はありません

現在の医療行為の現場では、医師は看護師や検査技師等のコメディカルの協力を得て治療に当たるケースがほとんどで、医師が単独で治療を行うケースは少なくなっています。
このため、質問の例のように、どこまでがコメディカルの責任で、どこからが医師の責任なのかという問題が出てきます。

看護師の協力を得て外科手術を行う場合、看護師のすべての動作に対して医師が注意を払わないといけないならば、手術そのものがおろそかになってしまいます。基本的に看護師の監督責任は医師にあるものの、看護師が遵守すべき最低限のルールについては、一応信頼してもよいものと考えられます。

したがって、例にあるようなメスの消毒のチェックは、外科手術を補助する看護師として当然守るべき最低限のルールということになり、疑わしいという特別の事情がない限り、信頼した医師に過失責任が問われることはないと考えられます。

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