異常体質による死亡事故に医師はどこまで責任を負うのか

胸腺リンパ性特異体質を有している患者さんに対して、手術のための麻酔駐車を行ったところ、しばらくしてショック症状を呈し、蘇生のための救急措置をとったにもかかわらず死亡してしまいました。

患者さんの家族は医師に予見義務があること、麻酔中毒の危険性についての説明があるべきだったと主張しています。このような場合でも、医師には過失責任が問われることになるのでしょうか?

適切な応急措置が施されていたならば、医師に責任はありません

事前に特異体質であるかどうかを、具体的に見分けることはできませんが、一定の割合でこのような体質を有する患者は存在しますので、麻酔ショックにより重大な結果が発生するという一般的な予見可能性はあるということになります。

患者にショック症状が出ることを予測したうえで、麻酔の管理に万全を期するのはもちろんですが、万一の場合に備えて応急の処置をとることができるような態勢を作っておく必要があるでしょう。

このような準備を行い、麻酔ショックに対して適切な対処を行ったにも関わらず、患者が死亡したという場合は不可抗力となり、医師の責任は問われないと考えられています。

一方、ショック状態に緊急に対処する態勢がなく、具体的な救命措置もとられずに患者が死亡した場合については、不可抗力には該当しませんので、医師の責任が問われることになるでしょう。

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